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パキスタン、アフガニスタン、そして・・・


by koidelahore
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ダブル・ローティー

地域によってモノは異なるようだが、普通ローティーといった場合はアーター(精白していない小麦粉)を水でこねて広げ焼いたものをいう。チャパーティーのように家庭の鉄板(タワー)で焼いたものを指すこともあるし、農村では地中の釜タンドゥールで焼いた厚さ5ミリ、直径20センチもあるようなものもある。粉を精白していないからビタミンも豊富だ。

で、そのローティーがダブルになると下の写真になる。
ダブル・ローティー_a0005048_15414294.jpg

いわゆる食パンである。パキスタンや北インドでは一般的にダブル・ローティーと呼ばれている。なんで、ダブル・ローティーなのか?いつからそう呼ばれるようになったのか?最近、非常に気になっているのである。

ちなみにインド・パキスタン英語の語彙集+発音ガイド、Indian and British English: a Handbook of Usage and Pronunciation, 2nd edition. (comp. by P. Nihanali, et. al.)には項目として載っている。

例文:We’ll need some double-roti for party. 食パンのこと。ブリティッシュ標準ではシンプルにA loaf of breadという。もちろん、ダブル・ローティーなんていわない。

と書いてある。ちなみにこのIndian and British Englishはいい本だ。イン・パ英語の発音を発音記号付きで解説してくれているところが親切だ。しかし、根本的な疑問、なぜ食パンがダブル・ローティーかということがわからない。ふっくらして2倍になっているからとか、2枚重ねて間に挟むからとか、俗説は色々あるし「ああそうですね」なのだが、どうもちゃんとした根拠が見当たらない。

普通こういうネタのとっかかりは、ホブソン=ジョブソンHobson-Jobsonというその筋では非常に有名な辞書である。この辞書は植民地支配の結果、本来の英語になだれ込んできた大量の語彙群を扱っている。完全に英語化したものもあるし、廃れてなくなってしまったものもある。ちなみにシカゴ大学のデジタル化プロジェクトのおかげで、いまではオンラインで活用できるようになっているのがありがたい。(Online Hobson-Jobson

しかし、Hobson Jobsonでもダブル・ローティーは出てこなかった。チャパーティー(chupatty)はあるけれども。残念。
by koidelahore | 2005-09-01 15:48 | Aiyaashee