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パキスタン、アフガニスタン、そして・・・


by koidelahore
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パキスタンの隠れ里 ―― スーン渓谷(2)

植民地インドの時代、支配者イギリス人は暑さに耐えられなかったので、いわゆる避暑地を開発した。夏季のシムラーは、政府まるごと移転して夏の首都になった。カルカッタ(コルカタ)のベンガル政庁はダージリンへ。パキスタンのマリーはペシャーワルやラーワルピンディーからの避暑地に。同様にフォート・モンローはムルターンからの、そしてスーン渓の鼻先にあるサケーサルはサルゴーダーからの避暑地だ。
パキスタンの隠れ里 ―― スーン渓谷(2)_a0005048_2025573.jpg

写真(上)はスーン渓谷のノーシェーラー付近で撮影したものである。どこか懐かしいような風景だ。正面の山並みのさらに先がサケーサルである。

現在サケーサルには空軍のレーダー基地があり一般人は立入り禁止となっている。そんなことからか、スーン渓谷を含むサケーサル周辺はガイドブックに書かれることも稀な土地だ。行政的にはフシャーブ(Khushab)県に属するのだが、南部の砂漠地帯に核処理施設があり、県全体が外国人の訪問を制限するようになってしまった。

スーン渓谷の中心の町がノーシェーラーである。鄙びた田舎町であることには違いない。しかし、古くからイギリス人の手が入っていた形跡がうかがわれ、それが他の新開地との雰囲気の差となっている。
パキスタンの隠れ里 ―― スーン渓谷(2)_a0005048_2026759.jpg

宿泊したCivil Guest House(写真)は1920年頃の建築物だった。2階建てに見えるがそうではなく、天井の高い典型的なコロニアル様式の作りになっていた。

またノーシェーラーには同じく1920年代に開校したGovernment College Nowshera もあるのだが、こちらのほうはコロニアル様式とムガル庭園様式の折衷であった。斜面を敷地としており、庭園中央を水が流れ下り、その間には3基の噴水が置かれている。保存状態も良好だった。
by koidelahore | 2005-03-23 20:27 | Soon Valley