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パキスタン、アフガニスタン、そして・・・


by koidelahore
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ラホール医者事情(一)

ラホールには良い医者もいる。良い病院や設備もある。良い薬もある。それでも良い医療を受けるのは難しい。

今回のマラリア騒動では、最初に変な医者に当たったのがトラブルのはじまりだった。変な医者とは書いたが、Doctors’ Hospitalというラホールではトップクラスの病院の医者である。Service Hospitalの元高級医務官でKing Edward Medical Collegeの元教官という、日本で言うと東大医学部の名誉教授みたいな肩書きを持ったいわゆる大先生だ。糖尿病の権威だそうだが、病院では一般内科を担当している。

そもそもこの医者は時間にルーズだった。初日は11時にアポをとったら病院に到着もしておらず結局1時間待たされた。それに懲りて、2回目は12時アポをとっていったのだが今度も1時間待たされた。来たと思ったら今度は携帯でおしゃべりをはじめた。診察を終えたかと思うと隣の医者のところに行ってまた世間話だ。

しかも後に、この医者はマラリアが疑われる場合の処方や検査法の定石を知らなかったことが判明。いくら専門が糖尿とはいえ一般内科なのだから非常に問題がある。

どんなに有名で優秀な医者でも、まじめに診察をしないのなら「やぶ」とかわりがない。ウルドゥー語のことわざに「ニーム・ハキーム、ハトラ・エ・ジャーン(半端な医者は命の危険)」というのがあるが、まさにそのとおりだ。

医者がどういうときにまじめに診察をするのか周囲のパキスタン人に聞いてみた。返ってきた答えはだいたい二通りで、①破格の報酬が期待できる場合、②患者がコネで来た場合、というものだ。もちろん破格の報酬の基準は人によって異なる。有名病院で月給何百万ルピーをもらっている場合があるので、ちょっとやそっとではインセンティブにならないそうだ。

結局、今回のように普通の業務時間内に病院に行き紹介もなしに診察を受けるというのは、一番テキトーに扱われる可能性の高い方法だったということになる。

大病院だから検査技術がしっかりしているかというとそうでもない。Doctors’ Hospitalでの採血係りはサイテーだった。血管の場所がまるでわかっておらず何と一回目は失敗。血など一滴も出てきやしなかった。一部始終を注視していた順番待ちのパキスタン人はさぞ不安になったことだろう。

教訓1:苦しくても、ふらっと病院に行ってはいけない。
教訓2:有名病院のブランドに惑わされてはいけない。
教訓3:Doctors’ HospitalのDr. Talat Shah(女医)には気をつけろ。
by koidelahore | 2005-04-28 22:23 | Zindagi/Life