パンジャービー映画を30分以上続けて鑑賞するのは精神的肉体的に困難だが、30分以内ならばよい気分転換になる。ボリウッドとは一味違う摩訶不思議な世界だ。
疑問① パンジャービー映画では俳優はなぜ最初から最後まで怒鳴っているのか?
「オエー、クッテー・ダー・プッタル!カーン・コール・ケ・ガッル・スン(犬のガキ!耳かっぽじってはなし聞け)」とか、本当に怒鳴りながら言っている。雷声というのだそうだ。もちろんインド映画でもその傾向はあるのだが、パキスタンのパンジャービー映画はまったくそうだ。
疑問② パンジャービー映画の女優の踊りはなぜ体育会系なのか?
この踊りは今のボリウッドには絶対ない。昔はあったのかもしれないが。前後の振りも左右の振りも抜けんばかりにふっている。なんで、そこまでして腰を振らなければいけないのか。しかも動きがスムーズではなくカクカクしているのだ。
それから、手の表現にもスムーズさがない。レーカーの《ウムラーオ・ジャーン》など、あの優雅な手の動きでいろいろな感情が伝わるのだが、パキスタンの女優の手の動きはまるで空手の型を見ているようだ。
疑問③ パンジャービー映画ではなぜグッジャルgujjarがヒーローなのか?
グッジャルとは基本的にバッファローを飼って乳を販売することを生業とするコームqaumだが、パンジャービー映画ではかれらがヒーローだ。そもそも映画のタイトルに『マッカン・グッジャル(バター・グッジャル)』とか『イック・グッジャル、ソー・バドマーシュ(一人のグッジャルと百人の悪党)』とかある場合は、グッジャル系の映画だ。たいていグッジャルがスポンサーだ。ヤマハのバイクに真鍮の瓶をくくりつけミルク販売している諸君が見るのだろうか。
ボリウッドのヒーローと違ってパンジャービー映画のヒーローはズボンをはいていない。腰布ルーンギーだ。手ぬぐい、というかほどいたパグリー(ターバン)で敵をぶちのめす。スポーツカーではなく農業用トラクターにのってデートをする。『ムトゥ踊るマハラジャ』に通じるものがあるから短く編集すれば日本でもスマッシュ・ヒットになるかもしれない。
まあ、自分で書いていてもろくでもない映画だと思う。しかしこのB級ぶりがパンジャービー映画の魅力だ。
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by koidelahore
| 2005-05-16 16:43
| Zindagi/Life